3Dゲームは認知症発症予防に役立つ?【 文献紹介 】

リハビリ・医療関係

おはようございます、ワラベシンです。

外出自粛でついついゲームをしちゃうんだよな~

今、このような方も多いのではないでしょうか。

たしかに目的もなくだらだらゲームやスマートフォンをいじるのは健康上もあまりよくありません。

しかし、ゲームをやることで【アルツハイマー型認知症から脳を守る可能性】を示した論文があります。

本記事を読むことで、ゲームとひとくくりに悪者にするのは良くない、ということがわかります。

アルツハイマー型認知症とは?

アルツハイマーが病のイメージ

認知症における最も一般的な原因がアルツハイマー病で、認知症の症例の60~80%がアルツハイマー病によるものといわれています。

そんなアルツハイマー病の治療で最もオーソドックスなのが薬物治療ですが、薬物による副作用が考えられるため、より優れた治療法が探られてきました。

論文紹介

マリオとノコノコの入れ違い

今回紹介する論文はPlaying Super Mario 64 increases hippocampal grey matter in older adults(スーパーマリオ64をプレイすると、高齢者の海馬灰白質が増加する)です。

あの不朽の名作、【 スーパーマリオ64 】ですね!私も大好きです。

以下に概要を簡略化して解説します。

元の論文自体を読みたい方はリンク先からお願いします。

研究で計測したもの

モントリオール大学の研究者たちは、3Dゲームが高齢者の脳に与える影響を調査しました。

その中で海馬と呼ばれる脳の領域の一部に存在する灰白質の変化に着目しました。

これは、灰白質が記憶構築に用いられる神経組織であり、海馬における灰白質の喪失は、アルツハイマー病などの神経疾患に関連するためです。

対象者と方法

対象は55歳から75歳の被験者33名で、これらの被験者を何もしないグループA・コンピューターでピアノを弾くグループB・スーパーマリオ64をプレイするグループCの3つに分けました。

グループCのゲームのプレイ時間は1日30分、6か月間行いました。

グループの33人のメンバー全員が、半年間の研究の前後に脳スキャンを行い、その間に脳がどのように変化したかを確認しました。

結果

マリオ64をプレイしたグループCが最も海馬の灰白質の増加を認めました。

また、ピアノを弾くグループBも、ある程度灰白質の増加を認めたものの、グループCには及びませんでした。

結論

しかし、ゲームなら何でもよいわけではありません。

例えば1人称シューティングゲームなどは灰白質を減少させることが、そのほかの論文からわかっています。

ゲームのタイトルやジャンルで違いが出ることに関してGreg L. West氏は

これはゲームのデザインと、ゲームがプレイヤーに求めることに大きく関係しています。3Dゲームは人々に新しい環境を探索し、それを記憶させようとするもので、そういったゲームデザインが海馬の灰白質に良い影響を与えるのではないかという仮説を我々は立てています。人々がそういったゲームをプレイすると、プレイヤーは認知マップを作り出し、これを地図のように用いてゲーム内を移動します。このような行為は、人間とげっ歯類の両方を対象にした過去の研究から、海馬の活動を促進することがわかっています

と述べています。

まとめ

ゲームは何かと悪者にされがちです。{ゲームをすると暴力的になる}など。

ゲームばかり行うことを薦めるつもりはありませんが、決して悪いものばかりではないと知ってもらえたら幸いです。

そういう私は今(2020年4月28日現在)【ファイナルファンタジー7 リメイク】を楽しんでいます(笑)

こちらも3Dゲームに分類されるものなので、認知症対策にもおすすめです!

こういうゲーム要素を普段の介入に取り入れることが、職場での患者さんの認知症予防につながる可能性もあります!

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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