eGFRとは【 腎臓リハ実践の重要な指標 】

リハビリ・医療関係

おはようございます、ワラベシンです。

eGFRってなに?何の指標?

eGFRの数値が悪いとどうなるの?

こんな疑問に答えます。

eGFR(estimated glemerular filtration rate:糸球体濾過量)は腎臓の機能に問題がないかを見る、検査データの一つです。

腎臓は心臓や肺などに比べるとマイナーな臓器ですが、体内の毒素を尿として排泄する重要な臓器です。

腎臓の働きが悪い(=eGFRの数値が悪い)と体内に毒素がたまり、最悪の場合、透析療法が必要となります。

透析が必要な体にならないために、eGFRの数値を参考に予防的にリハビリテーションを展開する必要があります。

本記事を読むことで、腎臓の機能を表すeGFRについての概要、および私もはまってしまった落とし穴(注意すべき点)について学べます。

なお、本記事は以下の書籍を参考にしています。

腎臓リハに関わる方なら必読。ただお値段が高いのが少々痛・・・。

2020年3月号と比較的新しい雑誌です。特集は腎リハですが、摂食嚥下や運動麻痺に関するレポートもあります。

eGFR=糸球体濾過量

腎臓の外観

前述したとおりですが、eGFRとは糸球体濾過量のことです。

簡単に言うと、腎臓にどれくらい老廃物を尿へ排泄する能力があるかを示しており、この値が低いほど腎臓の働きが悪いということになります。

eGFR=糸球体濾過量=腎臓がしっかり働いているかを診る

数値の基準

GFRに関しては数値が90mL/分/1.73 m2以上であれば正常または高値と判断できます。

慢性腎臓病(CKD)の重症度は原疾患(Cause),腎機能(GFR),蛋白尿・アルブミン尿(Albuminuria)に基づくCGA分類(下記表)で評価します。

エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン 2018より引用

eGFRは腎機能の指標ですが、診断基準の一つということです。

・eGFRの基準

90以上:正常
60未満:3か月以上続くとCKDと診断

・その他原疾患等との兼ね合いでリスクの変動あり

eGFRの落とし穴(実体験あり)

運動療法をしたらeGFRが悪化してしまった

このようなケースがあります。(ありました)

日常臨床では、血清クレアチニンに基づいて算出されるeGFRcreatが使われることが多いです。

しかし、クレアチニンの生成量は筋肉量に比例します。

筋肉量の少ない症例では、血清クレアチニン値は低値となり、一方でeGFR(creat)は高く推算されます。

また、運動療法で筋肉量が増えた場合は腎機能が改善してもeGFRcreatは変わらない、または低値となり、見かけ上は腎機能が悪化したと判定されることになります。

eGFRcysを用いる

eGFRcreatと異なる指標として、血清シスタチンCに基づくeGFRcysがあります。

シスタチンCは筋肉量や運動の影響を受けにくいです。

そのため、筋肉量が改善し、eGFRcysの数値も改善していれば、リハビリの介入効果があった可能性があるといえます。

・日常臨床で使われる多くはeGFRcreat
・リハ介入により数値が下がる可能性がある
・見かけ上の腎機能悪化の可能性があり、判断に注意

まとめ

腎機能が悪く透析が必要になると生活の質が一気に落ちます。

透析は週に2~3回、1回あたり4~5時間その場から動けない状況になるからです。

何の病気にも言えますが、なってからお金をかけるのでなく、なる前にお金をかける。

つまり【 予防 】が大事です。

今回はeGFRに関することを中心に書きましたが、腎リハの具体的な内容等を今後記載していければと思います。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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