おはようございます、ワラベシンです。
現在、脳卒中治療ガイドライン2021の原稿案のパブリックコメントが募集中です。
全部読むには心が折れるので、ひとまず私にも直接関係がある、【亜急性期以降の症候への治療とリハビリテーション】の部分を読んでみました。
今回はその中から抜粋して紹介したいと思います。
生活期リハにおいて、ビデオ会議などを利用したテレリハビリテーションの報告が追加された
生活期リハビリテーション

以下原稿案より引用
①在宅で生活する生活期脳卒中患者に対して、歩行機能を改善するためにもしくは ADL を向上させるためにトレッドミル訓練、歩行訓練、下肢筋力増強訓練などのリハビリテーション訓練を
行うことが勧められる(推奨度 A エビデンスレベル高)。②地域におけるグループ訓練やサーキットトレーニングを行うことは妥当である(推奨度 A エ
ビデンスレベル高)。
3. 復職を目指す場合、就労意欲、就労能力、職場環境を適切に評価したうえで、産業医との連携
のもとに職業リハビリテーションを行うことは妥当である(推奨度 A エビデンスレベル低)。
4. ビデオ会議システムなどを利用したテレリハビリテーションを導入することを考慮しても良い
(推奨度 C エビデンスレベル低)。
では解説に移りましょう。
歩行訓練や下肢筋力増強訓練で歩行能力やQOLなどが改善
各施設で機材などは変わるため、トレッドミル訓練などは行えないところもあると思います。
しかし、多職種チームで屋内外の歩行訓練や下肢筋力増強訓練を実施することで、歩行機能やADL、QOL等の改善につながる可能性が示唆されています。
グループ訓練やサーキットトレーニングを行うことは妥当
私の働くデイサービスでも朝、昼、夕方と複数の課題を取り入れた集団体操を行っています。
その日の利用者さんの活動レベルに合わせて内容は変更しますが、集団で行うことで参加率も高く、運動習慣をつける意味でも有用と考えます。
復職を目指す場合は適切に評価したうえで、産業医との連携のもとに職業リハビリテーションを行う
脳卒中は個人差こそあれ、後遺症が残りやすい病でもあります。
後遺症を考慮しつつ復職が可能かどうかの評価は必須です。
上記の因子を評価するにあたり、特別な機械が必要なものはありません。
適切に評価を行い、産業機と連携し、社会復帰の支援が必要と感じます。
テレリハビリテーションを導入することを考慮しても良い
昨今、地理的もしくは社会的な要因から外来リハビリテーションや地域でのリハビリテーションの施
行が困難な場合、電話回線やビデオ会議システムなどの IT 技術を利用したテレリハビリテーショ
ンの試みが報告されています。
くしくも2021年1月現在、新型コロナウイルスによる猛威が続いています。
また毎年のように台風や豪雨での被害が出ています。
そんな中で、テレリハビリテーションの試みは自粛中の自宅であったり、災害時の避難所であったりで導入できる可能性があります。
まだまだ報告の少ない分野ではありますが、今後伸びていく分野になってくるのではないかと思います。
まとめ

理学療法士等による下肢筋力増強訓練や歩行訓練などを行うことは推奨されています。
グループでの運動も取り入れつつ、その人に応じた個別の訓練の設定が今後も必要ですね。
また新型コロナウイルスが猛威を振るっている現在、テレリハビリテーションに関する報告はこれから増えてくると思われます。
テレリハビリテーションの効果・有効性などエビデンスが出てくれば、患者さん利用者さんは通院・通所の手間が減るし、我々としても部分的にでも在宅勤務の日があるなど、働き方にも大きく変わってくるのではないでしょうか。
今回の記事が、生活期に係る医療スタッフに少しでも役に立てば幸いです。
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今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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